第58回大手企業交渉の翌日、「建退共証紙をもらってきたから手帳に貼ってくれ」と支部事務所へ志田さん(泉分会・PALねりま副幹事)が来所され、お話を聞くことができました。
建退共証紙を請求した会社は、付き合いのある地場のゼネコン(元請)。現場は多摩地域の保育園新築工事。当初、公共工事だと思い、強気で建退共証紙を請求したところ、「この工事は民間です。わが社は現在公共工事がほとんどない。」との返事でした。
しかし、志田さんは企業交渉の前段の集会で、大手企業は民間でも建退共証紙を交付していると学習していたので、「大手は民間でも証紙は交付している。百人工分の証紙を請求する!」と交渉。地場ゼネコンの担当者は志田さんの熱気に負け、「建退共証紙を探してみます。」と。数時間後、金庫に眠っていた百人工分の証紙が交付されました。
しかし、その交付された証紙は担当書記もみたこともない証紙。調べてみると180円(昭和55年)の証紙…。現在は310円ですから、せっかく交付してもらった証紙では半分近くになってしまいます。
組合のアドバイスをうけ、再度、地場ゼネコンの事務所に請求した志田さん、「差額を現金でもらうわけにはいかない。こんな古い証紙は会社に眠らせていても何の意味もない。会社にある古い証紙でいいから全部渡してほしい。」と再交渉。
すると後日、180円の旧証紙527枚を交付してくれました。
志田さんは「建退共は私たちの権利だから、強気でもらわないとダメ!若い経営者は面倒臭いとか言うけど、今から請求する癖をつけなければ、もっと面倒になってしまう。」と話してくれました。
支部では180円の証紙527枚を310円の証紙306枚に変換し、従業員4人、外注5人の職人さんの手帳に貼付しました。担当書記から「志田さん、もらいすぎだけど…」と野暮な質問をしましたが、「今まで請求していなかったから足りないくらいだよ。」と笑顔で事務所をあとにしました。